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2011.11.13 むずかしい

書きたいのがなかなか書き上げられないので、続きには以前中途半端に上げたパラレル初夜のその後を入れておきました。逃避に書いていたのです。
何故かいきなり性描写から始まり、またしても唐突に終わります。

書けなくなると前に放置したものの続きを……などと書いているから、何を書いたか忘れてしまって支離滅裂になるんだろうなぁと分かってはいるのですけれど、なかなかやめられません。
書き散らかしているページは本当にぐちゃぐちゃで、パラレルもそうでないのもロイミュも姉金も一緒くたになっていて、その辺も原因かもしれません。
ちゃんと順を追って書ける人が本当に羨ましいです。

OVAもちょこちょこ進めています。
祭りの前辺りでしばし止まっていたものの、なんとか勇気を出して見ました。
憂鬱になってしまいますね……。
「魔術師還らず」よりその後の回が見ていられません。
そしてその後はロイエンタールが……あぁあ。
先に外伝見てしまおうかとすら思ってしまいます。実際外伝に逃げてしまったりもしたので。
外伝はいいですね。安心して見ていられます。

拍手を押してくださった方、どうもありがとうございます。
昨日は寒くなってきたネタでしたけれど、本当に冷え込んできたので暖かくしてお過ごし下さればと思います。

続き

くちゅくちゅと、濡れた音が耳につく。
ベッドの上に座る兄の膝に乗った僕は、音も何も考えないようにずっと彼にしがみついていた。
ジェルを纏って入り込んだ指が抜き差しされると、粘膜にこすれて今まで感じたこともないような刺激が背中を伝った。
締め付けると兄が痛いかもしれないと思い、締め付けないようにすると思わぬ深さまであっさりと入り込んでくる指。
ぬめっているせいか割りと簡単に奥まで入って来られることに驚いた。
今のところ痛くはないけれど、異物感や圧迫感がひどい。だけど何も出来ずに、ひたすら眉をひそめて息が乱れないようにしていた。
ちゅぽ、と音を立てて抜かれると、少ししてからまた入れられた。
今度はさっきよりも太くなったように感じていたら、ジェルを足した指が増やされたようだった。
なんだかだんだん「いよいよ」な気がして、胸が痛いくらいに高鳴る。
その時を迎えるのが急に怖くなって、僕は口を開いた。

「に…さん。……そんなとこ触るの、いやじゃない?」
「嫌だったらやらん」
「そうだよね……」
「なんだ。ここへ来て嫌になったか?」
「いやっていうか……」
「痛いのか?」
「痛いっていうより、なんか変な感じ……」
「すぐに慣れる」

簡単に言うけど本当にそうなんだろうか。
兄の言うことなら何でも信じられるはずなのに、信じられないと言うか、信じたくないと言うべきか……。
しかし実際に時間をかけてそこを弄られると、次第に最初ほどの異物感はなくなっていった。
指もかなりスムーズに動かせるようになっているらしく、濡れた音と共に這いまわっている。
気持いいのかなんなのかよく分からないが、困ったことにそうされると何故か刺激が前の方にも伝わってきて、先端が濡れていることに嫌でも気がついてしまう。
体の反応だけ見ると、気持ちいいと感じているみたいだけれど、僕はそれをどこか他人事のように感じていた。
もどかしくて、中心にも直接的な刺激がほしかった。
だけど自分から触ってほしいだなんて、はしたない子だと思われそうで言えない。
ましてや後ろを弄られて感じているだなんて、知られてはいけないことのように思えてしまう。
だから自然と揺らめいてしまう腰も、溢れ出てしまいそうになる声も、必死で止めていた。

「……ぁっ……」

そんな僕の努力も、次に指が足された時には有効なものとはいえなくなった。
どうしても息が荒くなってしまい、そこにヘンな声が交じるのが抑えられないのだ。
自分の体ではないように思えて戸惑った。
あんなところを弄られて気持よく感じたり、勝手にそこを締め付けようとしたり、高いヘンな声が出たり、恥ずかしくてたまらない。
他の人もこんな風になるのだろうか。経験が足りなさ過ぎて、判断できない。
僕だけが特別おかしな反応をしていたのだとしたら、どうしよう。
不意に怖くなる。
いやらしい子だと、兄にだけは蔑まれたくない。
でもこのままされていたら、もっといやらしい姿を晒してしまうに違いない。

「いやっ……! にいさん、やだ……っ!」

ついには僕は顔を伏せて泣いてしまったのだった。

すぐに兄は指を抜いてくれた。その感触にも身を震わせてしまったことが、さらに涙を溢れさせた。
濡れてない方の手で目元を拭われた。

「どうした。そんなに痛かったか?」

そうではなかったから、首を横に振った。

「泣くほど嫌な理由があるんだろう?」

答えられなくて、しゃくりあげてしまう。

「……おれのことが嫌いになったか?」

嫌いになんてなれるはずがない。
好きでいることが苦しくてたまらなくて、いっそ嫌いになれたらと何度も思ったのに、結局なれないまま今に至るのだ。
僕が兄さんのことを嫌いになるなんてありえない。
幼い頃から何度かあったこのやりとりだが、今回も同じようにすぐさま首を振って否定した。

「ちが……」
「では何故泣く。何が嫌なんだ?」
「だって、ぼく、ヘンなんだもん……」
「何がだ?」
「わかんな……でも、き、きらわないで……」
「おれがお前を? 嫌いになるわけないだろう」

今まではそうかもしれないけど、こんなはしたない子だと知ったらどうだろう。
いやらしくてはしたなくて、そんな汚い面があるだなんて、できれば知らないままでいてほしい。
涙を零し続ける僕に、兄は優しくキスをしてくれた。
そっと舌を吸われ、上顎を舐め上げられる。
柔らかなキスは僕の呼吸が落ち着くまで続いた。

「ふ……」

唇が離れても、目を開けば近い距離に2色の瞳があった。

「痛かったり、気持ちが悪くなったりは、しなかったんだな?」
「うん……」
「じゃあ、気持よかったか?」
「ぅ……う、うん……」

正直に言うのは躊躇われたけれど、嘘もつけなくて、結局肯定してしまった。
あんなとこいじられて感じてしまう弟でごめんなさい……。
すると兄は、嫌悪するでもなく、蔑むのでもなかった。
優しい顔で頬を撫でられた。

「そうか。それはよかった」
「……よかった……?」
「こういうのは個人差があるからな。お前がどう感じているかまでは、おれにも分からん。
 気持ちよかったなら、おれも嬉しい」
「嬉しい? 僕のこと、気持ち悪いとか、思ったりしない?」
「思うわけがないだろう」

何故そんなことを? と聞かれて、答えられずに僕は兄に抱きついた。
言葉にするのは難しい。
そんな僕の背中を撫でた兄は、耳元でささやいた。

「嫌じゃないなら、続きをしてもいいか?」

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